「そろそろ二人目を……」
一人目が1歳を過ぎたくらいから、二人目はどうするのかと聞かれたり、周りに妊婦さんが増えてきたりして、二人目はどうしようか考えることもありますよね。
そんなときに気になるのが、二人目の壁。お金、年齢、仕事などの理由で、二人目を産むことをためらってしまいます。
現在、二人の子どもを育てるわが家にも、二人目の壁は立ちはだかりました。
私と夫は結婚する前から「子どもは二人」と決めていて、家にも子ども部屋は二つ。でも、いざ一人目を育て始めると、「本当に子どもを二人も産んでいいんだろうか……」という疑問が出てくるようになったのです。
それでも、子どもを二人育てることに決めました。いま、その選択にとっても満足しています。今回は、二人目の壁を乗り越えるための考え方をお話します。
二人目の壁を感じる理由トップ5
『一般財団法人1more Baby応援団』のHPによると、81.8%の夫婦が二人目の壁を感じているとのことです。
二人目の壁を感じる理由トップ5を抜き出してみます。
- 経済的なきっかけ
- 年齢的なきっかけ
- 第一子の子育てで手いっぱい
- 心理的なきっかけ
- 仕事上のきっかけ
周りの人の話を聞いていると、ほかにも理由がいくつかありました。
- 子育てで頼れる人が周りにいない
- 妊娠・出産をもう一度したくない
わが家もダントツで二人目の壁となったのは経済的な理由。私はつわりがひどかったので、上の子を抱えて妊娠生活を送るのがつらいというのも理由のひとつでした。
二人目を産む前にはさまざまな壁があります。どうやって乗り越えていったらいいのでしょうか。3ステップで具体的に考えてみることにしました。
二人目の壁を分類してみよう
前項であげた二人目の壁は大きく3つに分類できます。
- 経済的な理由
- 身体的な理由
- 心理的な理由

経済的な理由という壁の乗り越え方
一番大きいのはやはり経済的な理由だと思います。
私はキャッシュフロー表を作って将来のことを考えてみました。キャッシュフロー表とは、家族の年齢やイベント、収入・支出を20~30年分記入して、貯蓄の見通しをたてることができる表のことです。
うちは子どもが一人でもしんどかったのですが、二人だと将来、確実に赤字になることがわかりました。でも、下の子が幼稚園に行くようになったタイミングで私が働けばカバーできる赤字であることも把握できました。
なんとなく不安だと思うのではなく、具体的にどのくらいお金が足りなくなるのか、打つ手はないのかを考えてみることが大事です。
心理的な理由という壁の乗り越え方
第一子の子育てでしんどい思いをしていると、二人目を考えづらくなります。一人でこんなに大変なのに、これがもう一人……考えただけでつらいです。夫の帰りが遅い、実家が遠いなどで頼る人がいないと余計、心配になりますよね。
しかも上の子の世話をしながら妊娠生活を乗り切らないといけません。つわりのピークに上の子のおむつを替えるのは地獄です。自分は食べられなくても、子どものご飯はしっかり作ってあげないといけません。
せっかく上の子の離乳食が終わり、夜もまとめて寝てくれるようになってきた段階で、また寝不足&授乳や離乳食の悩みに振り回されるのもごめんです。
ただ、妊娠生活は1年弱、育児のつらさもピークは3年。その3年につらさが凝縮されているからこそ、精神壊滅するんじゃないかと思うくらいしんどいんですが、子ども二人なら癒やしも倍以上です。
一人目は初めてのことばかりでとっても大変だったけれど、二人目になると経験がある分、少し楽に感じるところもあります。
思えば一人目の妊娠中も、自分が本当にママになれるんだろうかと心配でした。出産も怖くて、何度か「男に生まれたらこんなに悩む必要もなかったのに……」と思ったこともあります。
生まれてからもずっと寝不足でフラフラしていて、あんまり出ないおっぱいを律儀に3時間おきに吸わせて、置くと泣くからと一日中抱っこして、なんだか全てが不安でたまらなくて毎日泣いていました。
でも、上の子はなんとか育った。「二人目どうしよう」って考える余裕が少しでもある。だったら、産んでしまえば怒涛のような日々をきっと乗り越えられるはずです。
身体的な理由の乗り越え方
ほか2つに比べて、自分で変えることができないのが身体的な問題です。とくに年齢は抗うことができないもの。自分自身が高齢であるという問題以外にも、夫が年上だからという理由もあるでしょう。
身体的な問題は、経済的理由・心理的理由につながることがあります。
子どもが成人するときに定年を迎えてしまうから経済的に心配。健康面で不調が現れたり、体力的に子どもに追いつけなくなったりして不安。
でも、経済的・心理的なものが問題であれば、考え方を変えるだけで乗り越えられるでしょう。定年前に急ピッチで貯蓄を増やす。体力に自信がないなら別の関わり遊びを見つけてあげる。できることはいろいろあります。
それより大事なのは「迷っている暇はない」ということ。悩んでいるうちにも刻々と自分の体は歳を取っていくのです。
女性は7の倍数で体が変わるといいます。35歳を過ぎると、がくっと妊娠の確率が下がってしまうのです。夫婦が高齢であればなおさら、迷っているなら先に子作りしないと本当に産めない体になってしまいます。
最近は高齢出産をする女性も多く、自分もできそうな気がしてしまいますが、20代30代でも二人目不妊に悩んでいる人はいます。不妊だった場合、早めに治療をスタートした方がいい。だから私はとにもかくにも「まずは産む」という選択をしました。
仕事上の都合は別問題

仕事上の都合は上3つとはまた別の問題です。経済的な理由に思えますが、違います。
- 育児休業の延長がしづらい
- 会社に戻りづらくなる
- 復職後の昇進に関わる
- 保育園が見つからない
などなど、仕事上の都合で二人目をためらうのは「子ども」より「自分」の将来によりスポットが強く当たっています。「ママ以外の自分の役割」を大事にしているんですね。
これってとっても大切なこと。退職してしまって専業主婦の私にとって、戻る場所がある、やりたい仕事があるというママは羨ましいです。バリバリ仕事をしながら育児もするワーママって本当にかっこいい。
「社畜」という言葉をよく耳にするようになり、「仕事辞めたい」「会社行きたくない」と呪いのようにつぶやく人々の中で、育児をしながら「仕事に行きたい」と言えるのはすごいことです。
「いやいや、仕事に行かないと家計が苦しいから」
そんな風に思うかもしれませんが、家計の問題ならいまの仕事にしがみつく必要はありません。
再就職をしたり、パート勤務をしたり、いくらでもほかのやり方はあります。なかなかママの求職活動も厳しい世の中ですし、給料は下がるかもしれませんが、選ばなければ仕事はなんとか見つかります。
うちなんて上の子生まれてから、一家の大黒柱である夫が転職しています。もちろん不安はありましたし、しばらくは給料が下がって大変でした。
でもいまは夫の仕事へのモチベーションも上がり、快適に暮らしています。妻の転職だとまた勝手が違うとは思いますが。
自分の人生を考えたとき、本当にその仕事を続けていきたいのか、仕事を少し横においてでも子どもが欲しいのか。そういった視点で考えると、自分にとって本当に大切なものが見えてきます。
二人目がいることのメリットを考えてみよう
二人目がいると、どんなメリットがあるのでしょうか。
上位5を抜き出してみると、
- 家族は多いほうがにぎやかで楽しくなった
- 子ども同士(兄弟姉妹)で遊べるようになった
- 子ども同士(兄弟姉妹)で成長したから
- 子どもが兄弟姉妹ができて喜んだから
- 子どもが将来支え合えるようになった
「にぎやかで楽しい」というのは確かにそうだと思います。私の夫は3人兄弟なのですが、お盆や年末年始に兄弟全員が集まると本当ににぎやか。とっても楽しいです。
兄弟で遊べるというのも本当。私は弟といっつも一緒に遊んでいましたし、うちの3歳の娘も最近は1歳の息子と遊ぶようになりました。二人で遊んでいてくれると、親としても手が空いて多少楽になります。
私の父は4人兄弟、母は3人姉妹で、親の介護について集まってよく相談しています。とくに父の兄弟はみんな実家を出てしまっているので、つきっきりで介護をすることができません。交代で介護できるのは兄弟が多いからこそだと思います。
一人っ子だと、親が一緒にいてあげたり、友だちと遊ぶ機会を増やしたりすることで、兄弟がいないデメリットを緩和することができます。一人っ子で経済的に楽になり、ママが家にいてあげられるなら、それもいいなぁと私も思っていました。
でも、一人っ子だったら一人っ子で、やっぱりそれなりに経済的な不安を感じて私は働きに出るだろう。なら、兄弟がいた方が寂しさも紛れるかもしれない。私はそう思ったんです。自分に弟がいるからというのもあるかもしれません。
この辺の考え方は人によって違うでしょう。メリットがたくさん浮かんだのであれば、それだけ二人目を望む気持ちが強いということ。自分の気持ちを確かめる点でもメリットをあげてみることは有効です。
人生の優先順位を決めてみよう

これから先の人生、何を優先して生きていきたいですか?
仕事? お金? 子育て? 夫との時間?
私は断然、子育て。しかも一人じゃなくて、二人。
同じ子育てが一番でも、一人を全力で育てたいという人もいるでしょうね。それもひとつの選択です。
私は2歳差一姫二太郎を育てたいという夢がありました。幸い、その通りになって、いまとっても楽しく育児をしています。
20代の頃は仕事が大好きで、一生仕事をしていたいと思いました。結婚をして、子どもを産んでも働き続けたいと。でも、いまはそんな気持ちはありません。子どもを産んだことで、優先順位が変わったんですね。
仕事と子どもを両立する人もいます。私の知り合いでは、仕事を続けながら子どもを3人産んだママもいます。その代わり、夫の実家に入りました。
そのママは上2人が男の子だったので、「女の子を産みたい」という思いが強かったんです。でも仕事は諦めたくない。だから、夫の親が同居を求めてきた際、「働きに出るのを許してもらうこと」を条件にしたんだとか。強いお嫁さんですね。
結果的に、子どもが3人いても産後すぐに働いています。夫の両親との同居には思うところもあるようですが、義両親に子どもを見てもらえる利点もある。
一番やりたいことができていれば、ほかで我慢しなければならない部分は多少目をつぶることができます。
子どもが二人産むことを優先させたのであれば、経済的に精神的に不安でもそれは自分の選択。なんとかするしかない。
子どもに迷惑はかけたくないし、我慢もさせたくないから、自分が節約したり、稼いだりする方法を見つければいい。子どもの成長に目を向けて、少しでも楽に楽しく育児する方法を探せばいい。
自分の人生における優先順位がはっきりしていれば、その通りに動こうとするし、意外とその通りに人生転がっていきます。あやふやなままだから、ガタゴト道をあっちこっち進んでしまう。どこかで無理をしてしまうんです。
案ずるより産むが易し

『案ずるより産むが易し』は、「赤ちゃんを産む前はいろいろと心配してしまうけれど、産んでしまえば意外と大したことがない」ことから「ものごとは実際に行ってしまえば、心配していたほど難しくない」という意味のことわざです。
まさにその通り。
私も二人目を産もうと決める前は、ウダウダといろいろなことを考えました。でも、実際産んでみたらもう二人目はめちゃくちゃかわいいし、なんとかなっています。産んでよかった。
しんどい時期もありました。二人目妊娠中に不測の事態で貯金が底をつきかけたり、二人目が生まれてすぐに上の子が発達障害グレーだと発覚したり……正直「子ども二人育ててる場合じゃなくない!?」って思うこともありました。
でも、お金がなければないで、節約や貯蓄を頑張るようになるものです。お金の心配が増えた分、お金に関する知識も増えました。いまは日々カツカツではありますが、とくべつ無理はしていません。
産めばなんとかなる。
「心配なら産むなよ。そんなんで本当に将来の責任が取れるのかよ。無責任だ」
そんな囁きが頭の中に聞こえてきて悩んだこともあります。でも、二人目の壁にぶち当たって悩んでいる時点で無責任ではないし、産んだからには全力で責任を取るつもりです。将来の不安はいまを変えることで打ち消せるものもあります。
あなたが人生で一番大切にしたいのはなんですか? 立ち止まって考えてみてください。もしそれが「子どもを二人育てること」であったなら、将来について旦那さんと話し合ってみてください。
一生懸命考えて考え抜いて決めたことならば、きっと乗り越えられます。10年、20年先に後悔しない選択をできるといいですね。