絵本の読み聞かせってしてますか?
わが家は寝る前にするのが恒例となっています。
寝る支度を整えてから、まずは絵本の読み聞かせ。
電気を消した後は、絵本なしでの語り聞かせやおてて絵本。
どれも子どもの発達にとってもいいんです。
読み聞かせと語り聞かせの違いは何か、それぞれの特徴とメリットをお話しますね。
絵本の世界にどっぷりひたる読み聞かせ
読み聞かせは絵本を読んであげること。
絵本は年齢や興味に合わせて選んであげます。
[st-cmemo fontawesome=”fa-hand-o-right” iconcolor=”#3F51B5″ bgcolor=”#E8EAF6″ color=”#000000″ iconsize=”200″]
- 文章と絵の雰囲気が合っているもの
- 日本語のリズムがきれいなもの
[/st-cmemo]
お話だけでなく、絵も見せるという点が大事です。
0~1歳くらいだと原色の多いカラフルな絵本を選んであげるのもいいでしょう。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]
- 登場人物によって過度な演じ分けはしない
- 大げさになりすぎないようにする
- ひとつひとつの言葉を丁寧に発音する
- 絵をじっくり見せるタイミングをとる
[/st-mybox]
臨場感たっぷりに声色や声の大小を変えて読んでしまう人も多いのですが、それはNG。
子どもは声の変化に注目してしまい、物語に集中できなくなってしまいます。
読み手の感情が入ってしまうので、子ども自身の情景を読み取る力を妨げてしまうんです。
とはいえ場面によってはルンルンした気分が伝わってきたり、暗い雰囲気だったりしますよね。
自然に感じられる程度で多少、読み方を変えても大丈夫です。
淡々と読むようにすると、早口になってしまったり、語尾が上がってしまったりすることがあります。
「ゆっくりすぎるかしら?」と思うくらいのスピードで読んであげましょう。
せっかくの絵本ですから、絵をしっかりと見させる工夫も必要です。
ページをめくる前やページをめくった直後に少し間を取って、絵をじっくり見せてあげましょう。
イメージをかき立てる語り聞かせ
語り手がソラで話を聞かせてあげるのが語り聞かせ。
ストーリーテリングと呼ばれることもあるし、昔からある口頭伝承なんかもそうです。
声を聞くだけで話を理解しないといけないので、子どもがイメージしやすい話を選ぶのがポイントです。
[st-cmemo fontawesome=”fa-hand-o-right” iconcolor=”#3F51B5″ bgcolor=”#E8EAF6″ color=”#000000″ iconsize=”200″]
- 身近なものを題材にする
- 何度も読んだことのある絵本の内容
[/st-cmemo]
話をきちんと聞くための集中力、自分の頭の中に映像を思い浮かべるための想像力がつきます。
哲学者のアドルフ・シュタイナーが提唱した幼児教育方法では、2~3週間同じ話を語り聞かせするそうです。
絵本もそうですが、同じ話を何度も読むことで子どもの心は安定します。
子どもにとって日常は新しいことだらけ。知っているものがあるというのはホッとするんですね。
何も見ずに語るということは、ママは話を覚えていないといけません。
そういった意味でも、シュタイナー教育の2~3週間同じ話をする方がママの負担が少なくてすみますね。
完璧に覚えるのは難しいですから、多少はアドリブで大丈夫です。
子どもの方が覚えていて「ママ、そこはこうだよ」って教えてくれることもあります。
読み方のコツは読み聞かせとほぼ同じです。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]
- 登場人物によって過度な演じ分けはしない
- 大げさになりすぎないようにする
- ひとつひとつの言葉を丁寧に発音する
[/st-mybox]
絵を見せるタイミングを取らなくてもいい代わりに、次はどうなるんだろうというワクワクを感じさせる間を取るといいでしょう。
想像したものを言葉にする、おてて絵本
おてて絵本とは手のひらを絵本に見立てて開き、自分で想像した物語を自由に読む遊びです。
Eテレの「みぃつけた!」のワンコーナーにもなっているので、見たことがある人もいるのではないでしょうか。
大人が語るのではなく、子ども自身に自由に語らせるのがポイントです。
うちの娘は知っている話をベースにして、自分で勝手に物語を進めています。
たとえば今日は、桃太郎。
流れてくるのは大きな桃ではなく、小さな桃でした。
それでも、中から出てきたのは元気な男の子。もりもりご飯を食べて、大きくなるのは一緒です。
一寸法師サイズから徐々に大きくなっていくらしいです。まぁ、そんな桃太郎もありかなぁ。
たまに本当にオリジナルな話をしてくることも。
まだ語彙が少なく、発音も明瞭でない娘の話は段々わけがわからないことに。
それでも、「そうなんだー、それでそれで?」と聞くと、「それでねー」と楽しそうに話を進めてくれます。
たどたどしく一生懸命話す姿は本当にかわいいですよ。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]
適切なタイミングで
- 「それから?」
- 「はー、そんなことが起きたんだ!!」
- 「いいよいいよ、おもしろいね」
- 「最後はどうなる!?」
などの相槌を打って、先へ先へと進めてあげること。
[/st-mybox]
なかなか終わりに近づかずに世界が広がってしまう子が多いので、最後に向かわせてあげて「おしまい」となるように誘導します。
たまに自分もおてて絵本をやってみると、かなり難しいです。
脳をフル回転しているなぁって感じ。脳の体操がてらママもお話を作ってみてはどうでしょう。
読み聞かせや語り聞かせのお話を選ぶポイント
名作と呼ばれ、長い間残っている絵本に共通しているのは「主人公が最後には幸せをつかみとること」。
子どもたちは絵本を読みながら、主人公に自分の姿を重ね合わせています。疑似体験をしているんですね。
絵本を通して、困難の乗り越え方を学び、いろいろな生き方を知ることができます。
「主人公=子どもたち」ですから、最終的には幸せにならないといけません。
たとえば『3匹の子豚』には乗り越えるべき試練が2つあります。
- 生活のための家を建てること
- 狼から身を守ること
最近の絵本では「狼はぐつぐつ煮えた鍋の中に落っこちて、森へ逃げ帰っていった」で終わっていますが、実は原作は違います。
狼は最後、三番目の子豚に食べられてしまうのです。
「狼がどこかで生きていて、もしかしたらまた襲いに来るかもしれない」という不安要素を残すことなく、決着がしっかり付いているんですね。
残酷な物語の用のですが、こういった幸せな未来が約束された話を選ぶのもポイントのひとつです。
絵本に教訓は必要だけど、大人が伝える必要はない
『3匹の子豚』の原作では、2匹の兄は狼に食べられてしまいます。
現代の話では残酷だからとカットされているこの部分、『3匹の子豚』に必要な教訓です。
『3匹の子豚』はそもそも、年老いた母親が子豚を育てていくことができなくなり、将来のために自分たちで家を作らせます。
家を建てることではなく、「自分がいなくなったあとも子豚たちが生きていけること。自立すること」が最終目的なんです。
この願い、かなえたのは3番目の子豚だけなんですよ。
兄は楽にできる家を建て、弟の家に逃げ込んでくるだけ。自立したとは言えません。
時間や手間ひまがかかってもコツコツと努力することが大切だ。
『3匹の子豚』の教訓はなんといってもこれですよね。なんの苦労もしてない兄たちが助かってしまうと、この教訓がぼやけてしまうのです。
もし現代版の『3匹の子豚』で教訓を印象付けるとしたら、最初から母豚に「3匹協力して家を建てなさい」と言わせるといいでしょう。
そうすれば「最終的に3匹で力をあわせて狼をやっつけた」「兄弟仲良く暮らしましたとさ」という部分で「仲間と協力する大切さ」を伝えることができますね。
このように「絵本から何を感じ取ってほしいのか」を考えて準備をするのも大切です。
絵本を通して子どもたちに伝えたいことは何か。
それを考えたら、自然とどんな本を選んだらいいのかわかってくるはずです。
子どもは大人が思っている以上に絵本の中に入り込み、大切なことを学んできます。
読んだ後で「この本の教訓はね……」なんて語る必要はありません。
ときに意図したことと違う感じ方をすることもあるでしょう。
それはそれで貴重な子どもの感性です。つぶさないように大事にしてあげたいですね。
お話を読んで子どもと良質なコミュニケーションを。
言葉を覚えたり、想像力をアップさせたりと、お話を読むのは子どもの教育上とてもいいです。
でも、一番大事なのは、子どもとのコミュニケーション。
お話を通して、親と子どもは同じ世界を共有することができます。
子どもの表情をしっかり見て、お話を聞きながら何を感じているのか、ママも感じ取ってみましょう。
新鮮な反応に、ママ自身も忘れていた童心を取り戻し、純粋な気持ちで物事を見る目を養うことができます。
忙しくてなかなか毎日は読み聞かせができないという話も周りでよく聞きます。
でも、短い童話なら5分で読めます。
寝る前にひとつだけでも読んであげる習慣をつけてあげられるといいですね。
毎晩お話を読むことは、ママにも子どもにも温かい思い出になるはずです。