会話を盛り上げる際に使いたい質問ってどんなものか知っていますか?
質問には、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの2種類があります。大人同士の会話ではオープンクエスチョンが有効だと言われることが多いですが、子どもにはクローズドクエスチョンが最適なんです。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン
オープン・クエスチョンとは、5W1Hを用いた質問のこと。
- when(いつ)
- where(どこ)
- who(誰)
- what(何)
- why(なぜ)
- how(どうやって)
の6つです。聞かれた方は自由に回答ができるので、いろいろな答えが返ってきて会話の幅が広がります。
クローズドクエスチョンは「Yes」「No」で答えられたり、「肉と魚とどちらがいいか」のような二択だったり、回答が限定される質問のことです。すぐに答えることができるので、会話がそこでストップしてしまいがちです。
コミュニケーション術では、話が盛り上がりやすいのでオープンクエスチョンの方を積極的に使うようにと言われることが多いです。
子どもの言葉を代弁してあげよう
大人でも、たとえば夫に「今日の夕飯何食べたい?」と聞いてもすぐには返事をしてもらえないことがありますよね。そのうち「なんでもいいよ」なんて言われてイラッとくることも。
オープンクエスチョンは答えを自分で考えなければならない分、回答の難易度はあがります。語彙の少ない2歳児には、とてつもなく難しい質問なのです。
「何が飲みたいの?」と聞かれても、「私の好きなあれはなんていうのかな」って困っているかもしれません。
実物を見せながら「お茶が飲みたい? ジュースが飲みたい? 牛乳が飲みたい?」って聞けば、「あ、私の好きな飲み物は牛乳って言うんだ!」ってわかるようになります。
「どこが痛いの?」と聞いても泣くばかりで親子ともども困り果てた経験はありませんか?
この場合も「頭が痛いの? 手が痛いの? 足が痛いの?」と順番に聞くことで、子どもは答えやすくなります。繰り返していくうちに体の部位の名前を覚えていくので、痛がっている場所を教えるのも上手になってきます。
言葉を教え込んでいくというよりは、子どもの言葉を代弁していくようにすると、「ママは私の言いたいことがわかってくれている」という安心感にもつながっていきます。最初はうまくいかないことも多いですが、お互いだんだん慣れてきますよ。
ある程度大きくなったらオープンクエスチョンに
幼稚園や小学校に通うようになると、その日あったことを尋ねたくなりますよね。その際、「今日、楽しかった?」「給食残さず食べた?」と聞くこともあると思います。
でも、こういった時のクローズドクエスチョンは親が「Yes」と答えてほしい願望のこもった質問になりがちです。
楽しく過ごしてほしい。給食は残さずに食べほしい。だからそうやって聞くんですもんね。
「今日、楽しかった?」「ううん」「何があったの!? どうしたの!?」
「給食残さず食べた?」「ううん」「ちゃんと食べなきゃ元気もりもりになれないよ」
「No」と言われると心配でつい言っちゃいますよね。ただ、毎日そうやって聞かれるとストレスになることもあります。
一番わかりやすいのは「宿題やったの?」「勉強してる?」という質問ではないでしょうか。母親があまりに聞くものだから、逆にやりたくなくなったという話もよく聞きます。
「今日、学校で何をしたの?」「給食何がおいしかった?」「宿題どのくらい進んだかな?」とオープンクエスチョンで聞いておけば、子どももだいぶ答えやすくなります。
自分の語彙の中から自由に話をすることができるので、作文力アップにもつながりますよ。
どんどん会話をして子どもの言葉を引き出そう
日本人は英語を読み書きする力はあるけれど、実際話せない人が多いとよく言われます。それは実際に英語を使って会話することがないから。
子どもにとっての日本語も同じこと。
絵本を読んだり、親が教え込んだりして、言葉は頭の中に入っていても、実際に使っていかなければ話せるようにはなりません。インプットしたらきちんとアウトプットすることが大切。
2歳から3歳の時期はスポンジのようにどんどん言葉を覚えていきます。親の言葉だけではなく、テレビから聞こえてきた言葉もしっかり聞いています。頭の中にはたくさんの言葉が詰まっている状態。それをどうやって使っていけばいいのか、いっぱいお話をして教えてあげましょう。