昼間のトイレトレーニングはなんとか成功!
でも、夜は必ずおもらしをしてしまう。
幼稚園で聞いていても夜だけはおむつをしているという子も多いです。
おねしょってママの洗濯の負担も大きいですし早めになくなるとうれしいのですが……。
寝ている間のおしっこは昼間のおしっこと違い、自分の意思で我慢ができません。
実は夜のトイトレは昼間のトイトレとは別物と考えた方がいいんです。
夜のオムツはいつまで続くのか、夜のおしっこのメカニズムとトイレトレーニングの方法についてまとめました。
夜のオムツはずれは体の発達を待って
私は割りとトイレが近い方で、日中は2時間に1回くらいトイレに行きたくなります。
でも、夜は21時に子供と寝落ちしても、朝までトイレに行きたくなって起きることはありません。
夜はホルモンの影響で、尿意を感じにくくなっているのです。
- 抗利尿ホルモンの分泌
- 膀胱の発達
抗利尿ホルモンって何?
抗利尿ホルモンは、尿を出にくくするホルモン。
睡眠中には抗利尿ホルモンが分泌されるため、尿の量が減って、朝までおしっこを我慢できます。
熟睡するとよく出るホルモンなので、夜はしっかり寝かせることが大事になってきます。
膀胱の発達ってどういうこと?
抗利尿ホルモンが整ってきても、まだ膀胱が小さいうちは漏れてしまうこともあります。
ホルモンの分泌でおしっこの量が減ったとしても、まったく作られないわけではありません。
膀胱にためられるおしっこの量が、夜の間に作られるおしっこの量よりも多くなれば漏れてしまいます。
膀胱が大きくなり、たくさんおしっこを貯められるようになるまでは夜のおもらしは仕方のないことです。
また、夜の膀胱は昼間の膀胱よりも1.5~2倍くらいの量がためられます。
昼間に頻繁にトイレに行くようだと膀胱の発達はまだまだです。
昼間のトイレの回数がある程度、安定してから夜のトイトレを始めた方がいいですね。
体の機能が整うのは何歳ごろから?
だいたい3歳頃から、夜おしっこがでない子の割合は増えていきます。
市からもらった『2014年版子どもノート(保健活動を考える自主的研究会)』によると、夜おしっこが出ない子は3歳でもまだ65%しかいません。
夜オシッコが出ない子 毎晩夜尿のある子 2歳 50% 14% 3歳 65% 6% 4歳 75% 3% 5歳 80% 2.6% 保健活動を考える自主的研究会『2014年版子どもノート』p.72 資料34より
5歳でも80%。5人に1人はまだ夜におしっこが出るんです。
おねしょがなくなってくるのは、だいたい6歳くらい。
とはいえ、我が子がどの段階にいるか気になりますよね。
早い子は早く、2歳くらいで夜のおしっこがなくなりますから。
子どもを寝かしつけた後、大人の寝る時間が遅いなら、自分が寝る前におむつの中を確認してみてください。
たとえば21時に寝かしつけをして、大人が寝る23時にもうおむつが濡れていたら、寝ているのに2時間でおしっこをしてしまっているということですよね。
この場合、抗利尿ホルモンの分泌はまだまだ。
朝ママが起きるときに確認してみても。
朝方、眠りが浅くなってきた頃におしっこをする子もいます。
朝方までおしっこが出ていなければ、抗利尿ホルモンもだいぶ出るようになってきている証拠。
夜のトイトレも期待できます。
夜のおしっこを早く卒業するには
- 生活リズムを整える
- 夜は途中で起こさない
- 夕食から就寝までの時間を空ける
- 塩分・糖分に注意
- 昼間におしっこをためる練習
生活リズムを整える
ホルモンの分泌を安定させるには、生活リズムをしっかりと作ることが大切です。
寝る時間、起きる時間を決めて、体に「ホルモンを出すのは今だよ~」と教えてあげましょう。
くり返しになりますが、抗利尿ホルモンは熟睡するとたくさん出ます。
生活リズムを整え、寝る環境をよくし、安心して眠りにつかせてあげること。
睡眠の質を高めてあげることが大切です。
夜は途中で起こさない
睡眠の質にもかかわるとことですが、夜は途中で起こさないようにします。
寝てから朝までぐっすりと眠ること。
これが抗利尿ホルモンの分泌を盛んにさせます。
もちろん、自分から「おしっこに行きたい」と言い出したときには連れていきますが、大人の判断で起こさなくても大丈夫ですよ。
夕食から就寝までの時間を空ける
食後はおしっこをどんどん作ろうとしています。
食事中に取り入れた水分は、だいたい3~4時間くらいでおしっことして膀胱にたまります。
一番大切なことは、夕食から就寝までの時間をなるべく空けること、出来れば3時間以上空ける事ができれば理想です。これは、食事や飲水で摂取した水分は約3-4時間ほど経過してから、尿として膀胱に貯まることが理由です。夕食から就寝までの時間が充分に空けられると、就寝前のトイレでたっぷりとおしっこが出て、夜尿の回数や量が減少します。
だから本当は食後3時間は空けたいところですが、就寝時間は遅くしたくないですよね。
就寝時間から逆算して夕飯を食べるようにしましょう。
たとえば21時就寝を目指すのであれば、18時ですね。
- 18時にご飯
- 19時にお風呂
- 20時に寝かしつけ開始
- 21時就寝
うちはだいたいこのリズムで生活しています。
外で働いていない私でも正直この時間で動くのは大変なので、働いているママだとこの時間はちょっと厳しいかもしれません。
ただこれはあくまで目安。
「寝る前にトイレに行っておしっこを出せる」というのがゴールです。
食事の塩分・糖分に気をつける
塩分が多いとお茶をたくさん飲みたくなってしまうので、味付けは薄めに。
糖分も利尿作用があるので、夕食時にはあまり出さない方がいいです。
夕食時や夕食後に糖分を含んだデザートやヨーグルト、また果物の摂取は控えることです。塩分以上に糖分、特に果糖などにも利尿作用があり、就寝早期の夜尿症に強く関連していると考えられています。
ちなみに夜寝る前に「お水飲みたい」って言いだすことありません?
うちの娘はそのタイプ。
「絶対にトイレ行きたくなるからやめときな!!」って言ってしまうんですが、喉が渇いたまま寝かせるのもかわいそうですよね。
ただ、どんなときにお水飲みたいって言うかなぁってよくよく考えると、夕飯の味付けがちょっと濃かったときなんですよ!
「寝室が乾燥している」ってときもあるんですけどね、夕飯の味付けは関係あるかなぁという気がします。
でもたまに夕飯も味付け濃くしたいときもあるじゃないですか。中華とか。
だから就寝前のトイレに行く前にお水を飲ませるようにしていますよ。
昼間におしっこをためる練習をする
膀胱を大きくするためには、おしっこをためて訓練する方法もあります。
ただ、昼間のトイトレの最中にしてしまうと、子供も混乱します。
「え、おしっこに行きたくなったらママに言えばいいじゃないの!?」って思ってしまいますよね。
おしっこを我慢しすぎた結果おもらしをしてしまうようでは、せっかくトイトレに意欲的だった子供の気持ちも沈んでしまいます。
昼間のトイトレではまだママがトイレを促す場面も多いでしょう。
もし自分で「トイレに行きたい」と言える回数が増えてきたら、ママの方でもトイレを促す回数を減らしてみます。
少しずつチマチマ出していくのではなく、ある程度おしっこが溜まるようになると膀胱も大きくなってきます。
日中のトイトレが終了し、夜のトイトレがなかなか進まないなぁと思った場合にトライしてみてください。
夜のオムツを外すタイミング
ホルモンの作用なので、どうしても体の機能が発達してこないことには夜のオムツ外しは始めることができません。
体の機能が整うまでは、おむつをするか、おねしょシーツを敷いて寝るしかないでしょう。
昼間のうちは布パンツで「おしっこを漏らしてしまった!」と自覚させることが大事と言われます。
でも、おねしょシーツで「おねしょしてしまった……」と自覚させるのは、プレッシャーになって寝れなくなる子も出てきます。
そういった子はオムツを履かせてあげた方が安心ですね。
抗利尿ホルモンは睡眠の質がよいとたくさん出てくるので、不安な気持ちはなるべく取り除いて、まずはよく眠れるようにしてあげるといいですね。
ママがおねしょで布団が濡れるのが嫌、本人がおねしょで不快な思いをするのが嫌など理由でオムツをはいて寝ている子は幼稚園の年中・年長さんでもけっこういます!
本人が「オムツで寝るのははずかしい」と感じているのにママが無理やりはかせて寝るのはかわいそうですが、本人がはきたいと言うのならはかせてあげていいと思います。
うちはどうしても布パンツで寝たいと言ったので、「オムツ とれっぴ~」をパンツにあてるか、六層パンツにして被害を最小限に食い止めました。
「日中2時間おきにおしっこに行くから」「おねしょをしてしまうから」と思って夜中にトイレに起こす必要はありません。
むしろ起こしてはいけません。
睡眠のリズムが崩れて、抗利尿ホルモンの分泌もうまくできなくなってしまいます。
夜寝る前には必ずトイレに行く習慣だけはつけるようにして、子供が成長するのを待つようにします。
朝起きたときにオムツが濡れる回数が減ってきたら、徐々にオムツをつける回数を減らしていきましょう。
おねしょと夜尿症の違いは年齢
5~6歳になってもおねしょが続く場合「夜尿症」と言われます。
5歳以降で月1回以上のおねしょが3か月以上続くものは「夜尿症」と定義されています。
一般的には1週間に1回以上のおねしょが続いていれば「夜尿症がある」としています。
おねしょの頻度は定義が分かれていますが「5歳以降でおねしょが継続的にある」のが夜尿症です。
5歳で20%、6歳で15%程度の子どもが夜でもおしっこをします。
小学校に入学するとだんだん減ってくるものの、小学校高学年でも5%の児童に夜尿症が見られます。
- 抗利尿ホルモンの分泌不足
- 膀胱の大きさが未発達
- 睡眠の質が悪い
- 心理的ストレスがある
- 膀胱や腎臓の機能的な問題
まれに膀胱や腎臓といった尿に関する身体器官に異常が見られる場合もありますが、それ以外の原因はおねしょと共通ですね。
というか、5歳以降になって名前が変わっただけで夜尿症は基本的にはおねしょです。
成長とともにだんだんと回数も減り、小学校を卒業するころにはほとんどの子どもが夜尿症からも卒業すると言われています。
夜のトイトレはあせらない!
夜のトイトレは体の機能の問題なので、昼間のトイトレ以上にあせらないことが大事です。
おねしょをされると布団の洗濯が大変だし、夜中におねしょに気づいたらママは起きて処理しなきゃいけないし、ついついイラっとしますよね。
でも、叱ってしまうのはぐっとこらえて!
夜のおしっこは自分でどうにかなるものではありません。
おねしょしなかったらすごい、おねしょしちゃったから悪いというものではないですからね。
もちろん夜寝る前に水分を摂りすぎた、トイレに行くように言ったのに行かなかった、などの原因があるときは注意をしてあげてください。
ただ「自分はできない子なんだ」と必要以上に落ち込ませないように気をつけましょうね(自戒)。
ずっと続くものではないので、気長に待つようにしましょう!