運転しているママが赤ちゃんを抱っこしている。
思わず二度見してしまうような状況ですが、たまに見かけます。
運転席だけではありません。
助手席や後部座席でチャイルドシートから降ろされているお子さんを見ることがあります。
でも、これって本当に危険。死亡事故も起こっているんです。
2016年8月29日、仙台市で生後5か月の男の子が死亡する事故がありました。
男の子は授乳のためにチャイルドシートから降ろされていたそうです。
赤ちゃんを乗せていたワゴン車がカードロープに衝突したあと、別のワゴン車に衝突し、2台とも横転。
男女合わせて7人は軽いけがでしたが、赤ちゃんは車外に放り出され頭を強く打って死亡してしまったのです。
同様の事故は過去にも起きていて、2008年には三重県桑名市で授乳中の事故により生後7か月の赤ちゃんが死亡しています。
運転中に赤ちゃんがおなかを空かせて泣いていると親はどうにかしたいと思うもの。運転者のストレスにもなりますしね。
でも、そのせいで痛ましい事故が起こる可能性もあるのを知っておいてほしいです。
運転中の授乳はチャイルドシートから降ろしていい
『道路交通法施行令』第26条の3の2第3項第5号によると、授乳中はチャイルドシートに乗せなくてもいいことになっています。
運転者以外の者が授乳その他の日常生活上の世話(幼児用補助装置を使用させたままでは行うことができないものに限る。)を行つている幼児を乗車させるとき。
『道路交通法施行令』第26条の3の2第3項第5号
授乳やおむつ替えなどの際にはチャイルドシートから降ろしても法律的には問題ないわけです。
ほかにも急病や怪我で病院へ連れていかなければならないなど、緊急性が高い場合にはチャイルドシートの装着義務はありません。
[st-cmemo fontawesome=”fa-file-text-o” iconcolor=”#919191″ bgcolor=”#fafafa” color=”#000000″ iconsize=”100″]ちなみに装着しないといけない場面でチャイルドシートに乗せていなかった場合は、免許の点数が1点引かれます。罰金はとくにありません。[/st-cmemo]
運転中はどんなときでもチャイルドシートに乗せる!
法律でOKだから、授乳のために走行中チャイルドシートから降ろしていいかと言われたら、私は絶対に「NO!」と叫びます。
わが家は家族4人で交通事故に遭っています。子どもの命が助かったのは、軽傷で済んだのはチャイルドシートのおかげです。
新生児から使えるタイプはびくともしていませんでしたが、1歳児から使えるタイプのチャイルドシートは前滑りする感じでずれてしまっていました。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#f44336″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]事故直後のチャイルドシート[/st-minihukidashi]
がっちりと固定していて、夫が引っ張っても動かないようにセットしてありました。
それでも前すべりしたんです。事故の衝撃がかなり強かったことがわかります。
チャイルドシートは事故の時にこのようにずれることが多いそうです。
制限速度は40km。実際、うちも相手もそのくらいしか出ていなかったと思います。
それでもチャイルドシートが吹っ飛んだのですから、もっとスピードが出ている道路だったら、チャイルドシートをしていても危なかったかもしれません。
- 子どもがおなかを空かせている
- おむつを替えなければならない
- 嫌がって泣いている
……いろいろ事情はあるかもしれません。
でも、走行中にチャイルドシートから降ろしてまで、命をかけてまでしなきゃいけないことなんでしょうか。
授乳もおむつ替えも、どこか安全な所へ停車してやれば済むことです。少しくらい泣かせておいても、死にはしません。我慢できます。
「ちょっとくらいならいいや」が取り返しのつかないことになるのです。
高速道路で授乳したくなったらSA・PAへ
一般道で急に授乳したくなった場合は一旦家に帰ったり、ショッピングモールやコンビニに寄ったり、車を停める方法はいくらでもあります。
高速道路で授乳したくなったらどうすればいいのでしょうか。
後部座席で授乳してもいいよね?
そう言うママもいますが、高速道路こそチャイルドシートから外すと危険です。
最近では自分が気をつけていてもアオリ運転などで怖い目にあうドライバーが多いですよね。
高速道路では必ずSA、PAに停まりましょう。
授乳ではなくても子ども連れで移動するときにはこまめにSA、PAで休憩するのが大切です。
道中でベビーコーナーのあるSA、PAを事前に調べておくといいですよ。
[st-cmemo fontawesome=”fa-bullhorn” iconcolor=”#FFEB3B” bgcolor=”#FFFDE7″ color=”#000000″ iconsize=”100″]サービスエリア検索 | ドラぷら[/st-cmemo]
公共の交通機関では抱っこ紐を使おう
電車やバスなど、公共の交通機関にはチャイルドシートはありません。
私はチャイルドシートのない交通機関を利用する場合は、子どもが飛んでいかないように抱っこ紐を使うようにしています。
逆に自分が転倒した際につぶしてしまう危険性があるので、自分の身をしっかりと守る必要はあります。
できれば空いている時間乗って席に座れるといいですね。
可能であればベビーカーに乗せてストッパーをかけ、補助ベルトを装着すると安全です。
補助ベルトはベビーカーや車いす用の優先スペースにあります。
[st-cmemo fontawesome=”fa-bullhorn” iconcolor=”#FFEB3B” bgcolor=”#FFFDE7″ color=”#000000″ iconsize=”100″]ベビーカーでの乗車方法 | 東京都交通局[/st-cmemo]
ちなみに、自家用車でチャイルドシートが用意できるにもかかわらず抱っこ紐を使うのはダメですよ!
絶対にチャイルドシートを使いましょう。
タクシーの乗車もチャイルドシートは免除
公共交通機関と同じく、タクシーの乗車時もチャイルドシートは免除されています。
だからといって、チャイルドシートに乗せなくてもいいくらい安全なのかといえば違います。
タクシーの事故って結構多いんです。電車やバスも、大人でもぐらつくことがあるくらい危険ですよね。
基本的には子連れタクシーというチャイルドシートを積んできてくれるタクシーに乗るようにしています。
[st-cmemo fontawesome=”fa-bullhorn” iconcolor=”#FFEB3B” bgcolor=”#FFFDE7″ color=”#000000″ iconsize=”100″]全国子育てタクシー|全国エリア別タクシー検索[/st-cmemo]
どうしてもタクシーに乗らないといけないときには抱っこ紐を使います。
シートベルトは抱っこ紐の上からではなく、抱っこ紐と体の間に通すようにします。
抱っこ紐の上からシートベルトにするとシートベルトの強度が弱まり、ママも赤ちゃんも前に飛び出してしまう可能性があるんです。
そうなると前の座席とママの間で赤ちゃんがつぶされてしまいます。
事故が起こったときのシートベルトの衝撃が赤ちゃんに行くのも怖いです。
私自身が交通事故にあったとき、私も旦那も事故直後に一番痛かったのがシートベルトの当たっていた胸です。
チャイルドシートに乗っていた娘もベルトでこすれて胸元にひどい擦り傷ができました。
シートベルトの衝撃が赤ちゃんへ行かないようにするためにも抱っこ紐とママのカラダの間にベルトを通しましょう。
運転者が授乳、抱っこ紐使用はできません!
いないと信じたいんですが運転者が運転しながら授乳はできません!!
上記の道路交通法でも『運転者以外の者が授乳その他の日常生活上の世話』とあります。「運転者以外の者が授乳」です。
授乳中でなくても、抱っこ紐で運転されているママさんはめちゃくちゃ危険なのでやめましょう。
自分自身が事故に遭ったとき、エアバッグの衝撃はすさまじかったです。夫は衝撃で口に怪我をしました。
子どもが間にいたとしたら、悲惨なことになっていたと思います。
ママもシートベルトをしっかりしよう
車内で子どもがぐずると、シートベルトを外して子どもの相手をしたくなりますよね。
でも、走行中に助手席にいるママがシートベルトを外すことはとっても危険です。
私も事故に遭う直前、実は少しだけシートベルトを外していたんですよ。子どもが持っていたおもちゃを落として泣きだしたから。
その時に事故に遭っていたら、私は車外に放り出されていたか、車内にいたとしてもひどい怪我をしていたと思います。
子どもと一緒に後部座席に乗っていたとしても、高速道路ではシートベルトは絶対に締めたままで。
あやしにくいからといってシートベルトを外してはいけません。
シートベルトをしたままあやせる何か絵本やおもちゃを持っていくか、サービスエリアに着くまでは申し訳ないけれども泣かせておきましょう。
泣かせておくのはかわいそうですが、何かあってはもっとかわいそうですから。
私は子どもと一緒に事故に遭い、チャイルドシートやシートベルトの大切さを身にしみて感じました。
事故のニュースを見ると、チャイルドシートやシートベルトさえ付けていれば……というものは多いです。
どんなに気を付けていても交通事故は遭う可能性があります。自分だけは大丈夫なんてことはありません。
少しでも被害を少なくするため、チャイルドシートとシートベルト、乗車時にしっかり確認を。
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