牛乳を買いに行くと、「牛乳」「加工乳」「乳飲料」っていろいろ種類がありますよね。
私はとくに気にせずその場にあった安いものを買っていたのですが、先日、うちの母が「うちは絶対に『牛乳』しか買わない」と言っていて、何が違うのかとっても気になってしまいました。
区別をしているからには成分が違うのでしょう。子どもには牛乳を毎日飲ませたいものですが、「加工乳」「乳飲料」じゃいけないんでしょうか。
牛乳・加工乳・乳飲料の違い
飲用乳は全部で7種類あります。
- 牛乳
- 特別牛乳
- 成分調整牛乳
- 低脂肪牛乳
- 無脂肪牛乳
- 加工乳
- 乳飲料
牛乳を構成する要素は大きく分けて2つ。水分と乳固形分。
牛乳の約88%は水分。その他12%が乳固形分です。無脂乳固形分には、たんぱく質、炭水化物、ミネラル、ビタミン類などの栄養分が含まれています。
牛乳
いわゆる「牛乳」といわれるのが5種類。
- 牛乳
- 特別牛乳
- 成分調整牛乳
- 低脂肪牛乳
- 無脂肪牛乳
さらに成分無調整の「牛乳」「特別牛乳」、成分調整をしている「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」に分かれます。
「特別牛乳」は限られた地域でしか売られていない特別な許可を受けた施設でのみつくられる牛乳。北海道「想いやりファーム」、神奈川県「雪印こどもの国牧場」、京都府「クローバー牧場」、福岡県「白木牧場」の4か所でしかつくられていません。
「成分調整牛乳」は乳成分の一部(乳脂肪分、水、ミネラルなど)を除いたもの、「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」は乳脂肪分を除いたものです。
普通の牛乳が3.0%以上の乳脂肪分なのに対し、「低脂肪牛乳」は0.5%以上1.5%以下、「無脂肪牛乳」は0.5%未満なので、かなり脂肪分がカットされています。
加工乳・乳飲料
「加工乳」「乳飲料」は牛乳を原料として成分を調整したもの。
乳製品を使用して成分を調整したのが「加工乳」、乳製品以外も使用しているのが「乳飲料」です。
「加工乳」は無脂乳固形分が8.0%以上、「乳飲料」は乳固形分が3.0%以上という違いもあります。
具体的な商品で比べてみた
なるほどなるほど、と思いつつわかりづらかったので、具体的な商品で比べてみます。全商品だと紅茶とかラテとかもでてきたので、主要なもので。
雪印
- 雪印メグミルク牛乳
- 毎日骨太
- アカディ
- 雪印メグミルク牛乳
- すっきりCa鉄
- 特濃
- 雪印コーヒー
この中で「牛乳」は「雪印メグミルク牛乳」だけ。ほかは全部「乳飲料」です。
「毎日骨太」「アカディ」「すっきりCa鉄」「特濃」には骨を強くするビタミンDが配合されていて、摂取できるカルシウムも「特濃」以外は「雪印メグミルク牛乳」よりも多いです(「特濃」は一緒)。それでいてカロリーは抑えられているため、バランスよく栄養を摂ることができそうです。
成分はこんな感じ。
- 雪印メグミルク:生乳100%
- 毎日骨太:生乳(50%未満)、乳製品、乳たんぱく質、乳等を主要原料とする食品/炭酸Ca、乳化剤、ビタミンD
- アカディ:生乳(50%未満)、乳製品
- すっきりCa:乳製品、生乳(50%未満)、ホエーチーズ/炭酸カルシウム、乳化剤、ピロリン酸鉄、葉酸、ビタミンD、ビタミンB12
- 特濃:生乳(50%未満)、乳製品、ホエーチーズ、ビタミンD
- 雪印コーヒー:砂糖・異性化液糖、乳製品、コーヒー、ココナッツオイル、食塩、香料、カラメル色素
200ml中の栄養成分
明治
- 明治おいしい牛乳
- 明治おいしい低脂肪乳
- 明治牛乳
- 明治北海道牛乳
- 明治牧場ごころ
- 明治ミルクラブ
「牛乳」が4種類で、かなり「牛乳」に力を入れたラインナップ。「牧場ごころ」「ミルクラブ」のみが乳飲料です。
「牛乳」は栄養成分に大きな違いはないものの、味に違いがあります。
「おいしい牛乳」はCMでもおなじみ「ナチュラルテイスト製法」により、加熱時に牛乳中の成分が酸化されるのを防ぎ、生乳本来の風味が保たれています。ほかの牛乳はダメでも「おいしい牛乳」だけは飲んでくれるという子もまわりには多いです。
成分は以下の通り。
- 明治おいしい牛乳:生乳100%
- 明治おいしい低脂肪乳:生乳100%
- 明治牛乳:生乳100%
- 明治北海道牛乳:生乳100%
- 明治牧場ごころ:乳製品、生乳(50%未満)
- 明治ミルクラブ:生乳(50%未満)、乳製品、乳等を主要原料とする食品、炭酸カルシウム、乳化剤、ピロリン酸鉄、安定剤(増粘多糖類)、葉酸、ビタミンD3
200ml中の栄養成分
森永乳業
- 森永のおいしい牛乳
- 森永のおいしい低脂肪牛乳
- 森永のおいしい無脂肪乳
- 森永牛乳
- まきばの空
- 森永あじわい便り
わが家が一番お世話になっている森永乳業。静岡西部では「まきばの空」や「あじわい便り」はよく安売りをしてくれています。
「森永のおいしい無脂肪乳」が加工乳、「森永あじわい便り」が乳飲料、ほかは牛乳です。ここで初めて加工乳の表示を見ました。
成分は以下の通り。
- 森永のおいしい牛乳:生乳100%
- 森永のおいしい低脂肪牛乳:生乳100%
- 森永のおいしい無脂肪乳:脱脂濃縮乳・脱脂粉乳、生乳(50%未満)
- 森永牛乳:生乳100%
- まきばの空:生乳100%
- 森永あじわい便り:乳製品、生乳(50%未満)
200ml中の栄養成分
ちなみに森永は宅配専用商品として「森永カルダス」があります。
特定保健用食品で、成分は「生乳、乳製品、ミルクカルシウム、セルロース、pH調整剤、クエン酸鉄Na、V.D」。乳脂肪分を約43%カットしながらも薄味ではなくて、カルシウム、ビフィズス菌、鉄分、ビタミンDを摂取することができます。
子どもにはどの牛乳を飲ませる?
子どもに飲ませる牛乳の種類については、何がよくて何が悪いというのはいまのところ明確に決められてはいません。学校給食で出される牛乳についても、学校によって生乳100%のところと、加工乳のところがあるようです。
フルーツジュースに果汁100%を求めるように、牛乳も生乳100%を選ぶ人もいます。乳飲料に含まれている栄養分は添加物であって、牛乳+サプリのようなもの。別に牛乳から摂る必要はなく、食事から摂取できればいいのです。
たしかに「子どもにはなるべく無添加なものを」と考えると、生乳100%の牛乳がベストな気がしますね。加工乳や乳飲料であっても、なるべくシンプルな成分のものを選びたいし、カロリーや糖分にも注意したいですね。
味に敏感な人には牛乳と加工乳・乳飲料の味の違いもかなり気になるみたいです。私は味音痴なのでそこまで気にならないのですが……。生乳100%じゃないとダメって人もいますし、ある商品じゃなきゃ嫌って人も。
ただ、乳飲料の中には飲みやすくする工夫がされているものもあります。牛乳を飲むとおなかを壊す人のための雪印「アカディ」がそうですね。味もさまざまで、商品によっていろいろな特徴があります。
いくら健康にいいといっても子どもが飲んでくれなければ意味がありません。
牛乳嫌いなお子さんも、メーカーや牛乳の種類を変えると飲んでくれることもあります。いろいろな種類を試してみて、子どもに合ったものを見つけられるといいですね。