私が利用した産婦人科は出産育児一時金の42万円を引いて3万円しかかからないのがウリ。
でも、うちは9万円請求されました。他の人より6万円も多い!?
なんで高くなってしまったのか診療明細をチェックしてみると、やはり深夜加算がされているようでした。
この記事では実際の私の診療明細を見ながら、深夜加算がされるのはいつか、加算されない方法はあるのか、そもそも出産はどの時間帯が多いのか、まとめてみました。
実際の診療明細をチェック
もらった診療明細書は「分娩費」「出産証明書」「入院費」の3枚です。
<分娩費> | |
分娩介助料 | 380,000 |
分娩介助料(深夜加算) | 35,000 |
末梢血液一般検査 | 1,000 |
尿一般検査 | 260 |
NST | 2,000 |
胎盤処理料 | 5,200 |
産科医療補償制度掛金 | 16,000 |
新生児聴力検査代 | 5,300 |
新生児管理保育料 | 25,000 |
新生児検査料 | 14,000 |
薬(分娩後の痛み止め) | 270 |
<出生証明書> | 5,400 |
<入院費> | |
薬 | 420 |
入院料 | 3620 |
検査料 | 900 |
手術(胎盤用手剥離術、深夜加算あり) | 12690 |
食事療養費 | 1518 |
食事負担 | 780 |
計 | 509,088 |
直接支払制度42万円を引いて、89,088円が支払った金額です。
月曜の0時に分娩開始、0時46分に出産をしているので深夜加算がされています。
深夜加算で分娩代が35,000円割増。
深夜だとこんなに高いのか。ブルーレイレコーダーが買えてしまう……!
もう一つ深夜加算が付いているのは胎盤用手剥離術。
出産後に出てくるはずの胎盤がまったく出てこなくて、先生が手を突っ込んで胎盤をはがしてくれたのです。
医療費の基準となる診療報酬点数表によると、胎盤用手剥離術は7,050円のはず。
深夜加算が5,640円。
すごく難しそうな名前がついているんですが先生が手を突っ込んで胎盤はがす5分くらいの手技なんです。5分くらいで済みました。
やらなきゃ大変なことになるってのはわかってます。下手したら胎盤がうまくはがれずに大量出血するおそれもある中5分で済んだのはすばらしい技術です。
やはり高くついたのは深夜加算!
料金が加算されるのはいつ?
病院の診療時間外に受診すると、原則として「時間外加算」が請求されます。
基本は「時間外」「休日」「深夜」の3つ。
時間の範囲や加算される金額は病院によって違うので確認しておいた方がいいです。
一般的な時間帯
時間外 | 6:00~8:00、18:00~22:00 |
休日 | 日曜と国民の祝日、1月2~3日、12月29~31日。休診日ではない。 |
深夜 | 22:00~6:00 |
通常の時間外に出産や検査をすると加算される
上記の時間帯に出産すると加算が発生します。
気をつけなければいけないのは、病院に来たときではないということ。
陣痛が始まって病院に来ても、すぐに赤ちゃんが生まれない場合があります。
だから時間内に入院したのに、なかなかお産が進まずに時間外で産んだ場合は料金が加算されるんです。
逆に深夜に病院へきて検査を受け、翌朝の診療時間内に産まれた場合は加算されません。
ただしこの場合は深夜に受けた検査には加算されます。
私の場合は、
- 日曜の23時40分ごろ病院へ到着
- 日曜の23時50分ごろ分娩室へ
- 日付が変わると同時に出産準備
- 月曜の0時46分出産
という流れで深夜加算のみです。
日曜の夜に病院へ到着したものの、出産自体は日をまたいで月曜日だったので休日加算はされていません。
出産で休日・深夜・時間外加算はいくらなのか
一般的には深夜 > 休日 > 時間外の順に高く、だいたい2~4万円の加算が多いようです。
一万ずつ追加されていくイメージだと言われることもありますね。
私は平日でしたが、出産時刻が夜10:46だったため、深夜加算2万が入っていました。ちなみに翌日(土曜日)に出産したママは、さらに1万上乗せでした。
ただ、病院によって費用の決め方が違うため割増料金が高いこともあります。
追加金内容
7泊8日 17,000円割増
(8泊以降は、1日増えるごとに34,000円割増)
時間外分娩 30,000円割増
深夜分娩 50,000円割増
休日分娩 50,000円割増
双胎など 分娩料の割増
個室 差額×日数
私が産んだ病院も深夜加算35,000円ですからね。普通よりは高い方だと思います。
なかには「休日深夜」などの組み合わせで特別料金を設定している病院もあります。
加算されないようにするなら計画分娩
最近は自分で決めた日に出産する「計画分娩」もメジャーな選択。
- 出産の前日に子宮口を広げるバルーンを入れる
- モニターで陣痛や胎児の様子をチェック
- 陣痛促進剤を徐々に入れていく
という方法です。
バルーンやモニターチェック、陣痛促進剤などで自然分娩よりは費用がかかります。
加算料金とどちらが高くつくかは病院によるので事前に確認しておいた方がいいですね。
ただ、計画分娩を予定していても突然の破水などで出産が急に始まってしまうこともあります。
正直、陣痛が来てから「高くつくからこの時間に産みたい!!」なんて言ってる余裕はないです……。
ちなみに、入院は一日ごとに料金が発生するので、午前1時に入院しても午後11時に入院しても料金は一緒です。
午後11時に入院すると1時間だけなのに1日分の料金がかかってしまいます。これもどうにかできるかというと、ほぼどうにもできません。
そもそも分娩はどの時間帯に多いのか。
新潟県立看護大学の研究データに『自然現象が分娩開始に及ぼす影響』というものがあります。 2010年1月1日から12月31日までの1年間、自然に陣痛が開始して分娩した236人と破水した後に分娩した77人を対象として行われました。
陣痛は昼間に89人、夜間に147人。破水は昼間に18人、夜間59人。
どう考えても夜が多い。
島根県立看護短期大学の『陣痛発来と気象・環境サイクルとの関連』という研究でも午前3時から5時に陣痛が来る妊婦が多いというデータが出ています。
森戸やすみ先生の『祖父母手帳』にも満月や新月と出産の関係は認められていないけれど、太陽との関係性は認められていると書かれています。
出産数を1日の時間帯でみたときに、朝がやや多く夕方はやや少ない傾向にあったのです。
森戸やすみ『もう孫育てで悩まない! 祖父母&親世代の常識ってこんなに違う? 祖父母手帳』日本文芸社、2017、p53
こちらのデータは出産の時間帯なので少し違いますが、時間帯に一定の法則性がありそうですね。
陣痛が来てから生まれるまでの時間は人によって違うので、陣痛が夜来たからと言って生まれるのも夜とは限りません。
初産の人で分娩所要時間は平均11~15時間、2回目以降の人で6~8時間。午前3時から5時に陣痛が来た場合、だいたいの人が産む時間には診療時間内になっているのではないでしょうか。
ちなみに私は、一人目陣痛開始午前2時の出産午前6時(4時間)、二人目陣痛開始午後10時半の出産午前0時半(2時間)でした。初産でもめちゃくちゃ早い人もいますよということで……。
参考新潟県立看護大学『自然現象が分娩開始に及ぼす影響』
参考島根県立看護短期大学『陣痛発来と気象・環境サイクルとの関連』
出産はまさに何が起こるかわからない!
出産がどうなるかは人それぞれ。 私は2人目は9万の支払いで済んでいますが、1人目のときは出産後に緊急搬送されて全身麻酔の手術を行っているので20万近くかかりました。吸引や緊急帝王切開になってしまったママも知り合いにたくさんいます。みんな予定外。
時間帯だっていつになるかはだれにもわかりません。深夜料金かもしれないなぁと身構えておくといざというときには安心かもしれません。
陣痛が昼間に始まったとしても、得することばかりとは限らないです。
時間内に到着すると、外来受診をしなければならない病院もあります。
妊婦健診の助成券が使えれば少ない費用で済みますが、それでも1回分、妊婦健診代が増えてしまうことになります。
なんにせよ、出産には思ったよりもお金がかかると思っておいた方が安心です。出産後に慌てないためにも、事前に料金をしっかり確認しておくといいですよ。