ちょっとだけ買いたいものがあるって時、車に子どもの乗せ降ろしするのって面倒ですよね。寝てしまっているととくに。
2歳のむすめはイヤイヤ期真っ最中なので嫌がることも。
夏場だったら問題だけど、涼しい時期ならいいかな。
5分もかからないと思うし。
コンビニなんて店の前に停めたら見えるし。
そう思うのは完全に親の都合でした。
私が実際に車内放置してしまったときの経験を元に、車内放置がいけない理由をご説明します。
イヤイヤ期のむすめにムカッときて車内放置してしまった
子育て支援センターで遊んだ帰り、おむつがなくなりそうだということに気がついた私。
ドラッグストアで買っていかなくちゃ。
ドラッグストアについた時、むすめは持ってきたおやつを食べてご機嫌。
「さあ、おやつは置いて。お買いものだよ」
私はもともと車内に子どもを置いていくのは絶対に嫌、という考えでした。
車内放置はよく問題になっていたし、なにかあったら怖いし。
でもその日は、むすめのイヤイヤが発動。
しかも私の大っ嫌いな「駄目だとわかっていることを、にやにやしながらする」パターン。
「おやつ置いて」「いーやー(にやにや)」「お買いものだよ」「いやー」「お菓子買ってあげようか」「いーやー」
面倒くさい。
買い物はおむつだけ。
売り場もわかっているし、自分一人で買いに行けば5分もかかりません。
そのうちに0歳の息子もぐずり始めて、私は早く買い物を済ませて帰りたくて仕方がありませんでした。
いまは暑くも寒くもない時期。
ここの駐車場は警備員さんもいて、警備員さんがちょうど目の前にいるし、少しなら大丈夫。
「じゃあ待ってなよ」
そう言ってドアを閉めました。
しばらく歩いてから振り返ると、まだむすめはにやにやして私を見ていました。
大丈夫そうだな……。
お菓子もあるし、飽きちゃったら絵本も持ってるし、意外と平気なのかもしれない。
そうは思いながらも、ダッシュで買い物を済ませて車に戻りました。
目に飛び込んできたのは、涙も鼻水もよだれも出せるもん全部出して泣きじゃくるむすめの姿。
「わたしも、いくー!! まーま!!」
とんでもないことをしてしまった。
なかなか泣きやまないむすめを抱きしめながら、とてつもなく後悔しました。
ママに置き去りにされる恐怖がトラウマに
自分を置いて弟と一緒に行ってしまうママの背中を見送るのはどれほど恐ろしかったでしょうか。
追いかけたくても自分はチャイルドシートにくくりつけられていて身動きが取れません。
めちゃくちゃ怖かったと思います。不安だったと思います。
なんで想像してあげられなかったんだろう。
二人を連れて買い物に行くのが大変だから。イヤイヤ期のむすめにうんざりしていたから。
それって完全に大人の都合ですよね。それで娘に何かあったら後悔どころじゃすみません。
寝ていたら大丈夫というわけでもない
車内で寝てしまっても、車が停まるとむすめは起きることが多いです。
家族全員で出かけている時、むすめが寝てしまうと休憩中に夫だけが車を降りることもあります。
夫が車を降りてすぐにむすめは目を覚ましてキョロキョロ。
車が停まっていること、運転席のパパがいないことに気が付いて泣いてしまいます。
寝るまでは一緒にいたはずのパパが、目を開けたらいない。
寝るのが怖くなっちゃいますよね。
どんなにぐっすり寝ていて、これは起きないなって思ったとしても本当に起きないかなんてわかりません。
もしかしたら目を覚ましてしまうかも。
その時の子どもの気持ちを想像すると、私は胸がざわざわして泣きたくなってしまうんです。
車内放置してしまう親は28.2%
中には「家に荷物を運ぶ間だけ乗せておいた」「鍵のかけ忘れの確認のために車内に子どもを乗せたまま戻った」などもあるので、それはさすがにちょっと許容してほしいかもしれない……。
それにしても4分の1以上ですから、車内に子どもを残してしまうママは多いんですね。
[st-cmemo fontawesome=”fa-close” iconcolor=”#3F51B5″ bgcolor=”#E8EAF6″ color=”#000000″ iconsize=”200″]
- 子どもが寝ていた
- 子どもが嫌がった
- 交通量などから車内の方が安全だと思った
- 短時間だから
- チャイルドシートをつけ直すのが面倒
[/st-cmemo]
わかるーって感じではあるんですよね。私もこのパターンですから。
でも回避しようと思えばできる理由でもあるんですよ。
「みんながやってるからいいんじゃない?」と思って車内放置すると、子どもが危険な目にあうこともあるのです。
子どもを車内放置すると危険な理由
子どもはママがいないとパニックで外へ出ることもある
ぐっすり寝ていたはずの3歳の子がママを探しに車外へ出てしまったというニュースを読んだことがあります。
起きてママがいないことに気がついたその子はパニックになりながら、自力では外せないはずのチャイルドシートを外しました。
後部座席はチャイルドロックで開きません。
でも、運転席へ行ってドアロックを解除し、外へ出たそうなんです。
火事場の馬鹿力じゃないですけど、とっさに子どもはこういうことができるんですね。
チャイルドシートつけてるから、鍵閉めてるから大丈夫ってわけじゃないんです。
ママが目の前からいなくなると、子どもは頭の中をママでいっぱいにしたまま動くんです。
もともと子どもの視野は大人に比べてかなり狭いです。
それがもっと狭くなってしまい、事故につながる恐れもあります。
年齢が上になると今度は自力でシートベルトを外せるようになるほか、自分で運転してみようと思ってしまう子がいるとも聞きます。
めちゃくちゃ怖くないですか……!
子どもは親のすること見てますからね。見よう見まねで車が動く可能性はあるんですよ。
子どもを一人にしている間に事件が起こる可能性がある
子どもを一人にしている間に、地震が起こったら。
アクセルとブレーキを踏み間違えた車が突っ込んできたら。
食べていたお菓子がのどに詰まったら。
小さい月齢の子だったら、寝ている間に息が止まってしまうかもしれない。
何かがふいに顔にかかって息ができなくなるかもしれない。
考えすぎだと言われることもありますが、私は心配になってしまうのです。
母親が目を離したすきに子どもを乗せていた車が盗まれた。放火されて炎上していた。
こんな事件もあるんです。
車内温度は短時間でもかなり高温になる
車内放置による熱中症での死亡事故が増えて以来、日本でも真夏の車内放置は問題になってきました。
炎天下の車内放置はエアコンを切って15分で熱中症の危険があるほど温度があがってしまうそうです。
エアコンで適温が保たれている車内でも、エンジンを停止させ5分経過した時点で車内温度はすでに約5℃上昇し、15分後には熱中症の指標である熱中症指数が危険レベルにまで達してしまいました。
サンシェードをしても2度ほどしか変わりません。
真夏に旦那が私たちを車内に置いてサービスエリアに行ったことがあるのですが、なぜかエンジン切ってたんですよ。
そのときの暑さといったら。
すぐに汗だくになって、慌てて一緒にサービスエリアに付いていきました。
チャイルドシートにくくりつけられていれば当然、自力で出ることはできません。
自由にしてあっても「外に出ちゃだめよ」と言われて置いていかれたら素直な子どもは外に出ません。
外に出たら出たで車に轢かれる危険性もあって怖いですよね。
炎天下の車内放置はさまざまな危険性があるのです。
ちなみに調査によると、炎天下でなくても車内の温度は急激に上がるそうです。
実際、3月の車内でも子ども2人が熱中症で死亡する事故が起きています。
当日は晴れてはいたものの、現場付近の最高気温は14℃ほどで肌寒くさえ感じたという。しかし、事故発覚時、車内の温度は36℃にも達していた。
(中略)
JAFの実験によると、日中の最高気温が23.3℃と過ごしやすい日に停車させた車中の温度を測ってみたところ、運転席の顔付近では短時間のうちに48.7℃にまで上がった
ちなみにエンジンかけて行くのも駄目ですよ!
- エンジンがストップする
- 子どもが動かしてしまう
- そのまま車ごと盗まれていく
なんてこともありえますからね。
子どもの車内放置は絶対に駄目
アメリカでは州にもよりますが、車に子どもを一人で残していくことは、たとえ一分であっても罪になります。
アメリカだけではありません。イギリスやフランスなど欧州各国では子どもを一人にしてはいけません。
欧米諸国では子どもを一人にすることをかなり危険視していることがわかります。
[st-cmemo fontawesome=”fa-exclamation-circle” iconcolor=”#ef5350″ bgcolor=”#ffebee” color=”#000000″ iconsize=”100″]日本でももし車内放置で子どもが死亡した場合は保護責任者遺棄致死傷罪、重過失致死傷罪にあたります[/st-cmemo]
欧米諸国は日本ほど治安がよくないからというのもあると思いますが、それでも日本では絶対に危険がないというわけではありません。
身近に危険なんてほかにもたくさんあります。気にしていたら外になんて出られません。
家の中でも子どもを一人にして別の部屋にいる時はあります。
ずっと一緒にいたって、目を離している時間はあるし、一緒にいたからって必ず守れるわけでもありません。
でも、防げる危険はあらかじめ防ぎたいですよね。
何かあってから「あの時ちゃんと自分が一緒にいれば」と後悔したくはありません。
事件はたいてい「普段は大丈夫だったのに」「なんで今日に限って」というときに起こります。
どの季節だろうと、どんな場所であろうと、子どもを一人にしてはいけない。
何かあってから後悔しないようにしたいですね。
補足:自分が車内放置の子どもを見つけたら
ちなみに、自分が車内放置の子どもを見つけてしまうこともあると思います。
スーパーで隣の車内にいた子どもと目が合った……なんてことも。
自分で何かしようとするとトラブルの元になります。
緊急でないのなら警備員や店員さんに伝えて呼び出してもらうなど対応してもらいましょう。
明らかに車内の子どもがぐったりしてヤバイという状態であれば、警察と救急車を呼んでください。
命にかかわる状態であれば窓を割っても、自分が何か罰を受けることはありません。人命を優先しましょう。